膀胱全摘
泌尿器科領域で最も大きな手術で手術侵襲の大きな手術である膀胱全摘出術。尿路変更の方法にもよりますが、尿管ステントが留置されることもあり尿量管理なども他の外科的な手術とは異なる術後管理となるものもあります。看護師が知っておくべきな膀胱全摘術後の管理のポイントについてお伝えしていきます。呼吸循環など手術侵襲に関連するものは今回はお伝えせず、膀胱全摘に特有のポイントについてお伝えし、特に術直後についてお伝えしていきます。
膀胱全摘の手術侵襲
膀胱全摘術は侵襲の大きな手術になります。その理由の一つが手術時間が長くなることにあります。膀胱を摘出するだけではなく尿路変更も同時に行わなければならず、手術時間が長くなります。尿路変更の方法は3つあり、回腸新膀胱造設、回腸導管、尿管皮膚ろうで尿管皮膚ろうは回腸を切除したりする動作がないため他2つと比べると手術時間は短めになります。尿路変更の方向が回腸新膀胱造設や回腸導管であれば少なくても8時間はかかり、それよりも時間がかかることは珍しくありません。そのため手術侵襲が大きくなります。そのため呼吸循環への影響も小さくないほか、創部も大きくなり、疼痛も大きくなります。
膀胱全摘術後の管理
膀胱全摘術後の管理として侵襲に伴う全身管理の呼吸や循環については他の手術にも共通する項目であるためこの記事では取り上げませんが、手術侵襲が大きくなるため循環動体の変動はきたしやすいことをよく経験します。膀胱全摘術後の管理として他の外科的な手術と違う部分のポイントについてお伝えします。
尿量管理
まず違いとなることは新膀胱造設をした場合の尿量管理についてです。
新膀胱造設した場合には術直後に尿が出てくる場所が3箇所になります。尿道留置カテーテルと左右の尿管ステントの3つです。尿管ステントは左右の腎盂に留置されておりそれぞれの腎臓で作られた尿がステントと通じて流出します。ステントを通じて流出しなかった分の尿は新膀胱へと流れて尿道留置カテーテルから流出します。そのためきちんと尿管ステントを通じて尿の流出があった場合には尿道留置カテーテルからの尿の流出はない場合があります。そのため尿道留置カテーテルからの尿流出がないからといって焦るのではなく尿管ステントからの流出があるのかを確認した上で医師に報告するのか検討が必要となります。尿管ステントから流出していない場合には尿管ステントが閉塞している可能性が考慮されます。どちらかの尿管ステントが閉塞して尿が排出されない状態の場合には閉塞している側の腰背部痛を訴えることがありますので、そういった症状も確認します。
尿管ステントについては別のページでご紹介させていただきます。
ドレーン
次に挙げられる術後管理のポイントとしては回腸新膀胱造設や回腸導管では腸管操作が行われるためドレーン性状への注意は血性かどうかとその量に関するものだけでなく、腸液様の排液がないか確認する必要もあります。尿路は問題なくても腸管の吻合不全を起こしていた場合には再手術となる可能性もありますし、腹膜炎をきたして敗血症となる可能性もありますので早期の報告が必要となります。
血尿
尿管ステントからの尿でも血尿が出ることはあります。尿管ステントは細く詰まりやすいため血尿によって詰まらないようにしなければなりません。看護師にできることは血尿の変化を観察し濃くなるようなら早めに医師に報告して詰まらないようにすることです。
ストーマ
回腸導管や尿管皮膚ろうの場合にはストーマを増設します。ストーマの色調や陥没したりがないかといったことも観察する必要があります。
まとめ
膀胱全摘術後の看護師視点での術後管理について説明してきました。膀胱全摘術は入院期間も長くなり、経過とともに必要となることは変わってきますが、まずは術直後の管理について他の手術との違いから考えてきました。呼吸、循環の管理も大変ではありますが、膀胱全摘ならではの術後の知識も持って看護にあたってもらえたらと思います。



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