看護師が知っておくべき敗血症と治療について

ICU

敗血症は看護師が担当する患者の中でも重篤な状態になることも少なくなく、集中治療室での治療を必要とすることも多く見受けます。そんな敗血症には日本集中治療医学会からガイドラインも出されており、看護師も知っておく必要があります。日本版敗血症診療ガイドライン2024から看護師が知っておくべき内容をピックアップしてお伝えしていきます。また、集中治療認証看護師の試験にも通づる内容でもあったので、受験される方も参考にしてもらえると思います。



敗血症とは

敗血症は「感染症に対する生体反応が調節不能な状態となり,重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義されています。以前はSIRSの診断基準を満たし、その原因が感染症によって引き起こされたものと定義されていましたが、現在のものは感染症による臓器障害に着目したものとなっています。

敗血症の診断

敗血症は①感染症もしくは感染症の疑いがあり、かつ②SOFAスコアが2点以上の急上昇をもって診断するとされています。

また敗血症性ショックは,敗血症の診断基準に加え,平均動脈圧65 mmHg以上を保つために輸液療法に加えて血管収縮薬を必要とし,かつ血中乳酸値2 mmol/L(18 mg/dL)を超える場合に診断するとされています。



血液培養はいつ取るのか

敗血症では感染症の原因菌を同定することが重要となります。そのために血液培養を採りますが、そのタイミングは抗菌薬の投与前とされています。理由としては抗菌薬投与後に血液培養を採取すると、検出率が低下してしまい原因菌の同定が困難になってしまう可能性があるためです。



組織低灌流の指標は

敗血症の初期蘇生における組織低灌流の指標として主に血中乳酸値が用いられています。また,毛細血管再充満時間の有用性も報告されています。

敗血症の初期蘇生における平均血圧の目標値

敗血症に対して,平均動脈圧の目標値を65mmHgとすることが弱く推奨されています。



敗血症の初期輸液

敗血症の初期輸液療法に生理食塩液と比較して調整晶質液の投与を行うことが弱く推奨されています。生理食塩水の大量投与では高クロール性代謝性アシドーシスを引き起こし,急性腎障害のリスクを高める可能性があります。

晶質液を用いた標準治療に反応せず大量の晶質液を必要とする場合には,初期輸液に等張アルブミン製剤(4~5%)の投与を行うことが弱く推奨されています。

また、血管内容量減少のある敗血症の初期輸液は,循環血液量を適正化することを目標とし,3時間以内に晶質液30 mL/kg以上の投与を要することがあります。ただし,過剰な輸液による害も報告されています。



血管収縮薬の使用とその薬剤

低血圧を伴う敗血症に対する初期蘇生において,蘇生輸液と並行して,早期に血管収縮薬を投与することが弱く推奨されています。その使用薬剤の第一選択としてノルアドレナリンを使用することが弱く推奨されています。

敗血症に対する血管収縮薬の第二選択薬としてはバソプレシンを使用することが弱く推奨されています。



敗血症とステロイド

初期輸液と血管収縮薬投与に反応しない敗血症性ショックに対して,ショックからの離脱を目的として,低用量ヒドロコルチゾン(200~300 mg/day)を投与することが弱く推奨されています。

初期輸液と血管収縮薬に反応しない敗血症性ショックでは相対的副腎不全がショックに関与してい可能性があります。ステロイド投与は相対的副腎不全の改善、抗炎症作用、血管収縮作
用,血管収縮薬への反応性改善などの作用により,ショックからの離脱が期待されます。その一方で、免疫機能を抑制し、感染症、消化管出血、高血糖などの合併症を増加させる可能性もあります

敗血症と解熱

発熱を伴う敗血症に対しては解熱療法を行わないことが弱く推奨されています。敗血症では発熱を伴うことは頻発しますが、発熱は抗体産生増加、T細胞活性化、サイトカイン合成促進、好中球およびマクロファージ活性化から、病原微生物の除去促進に関連する防御反応でもあり、解熱させることでこれらの防御反応が抑制されてしまう可能性があります。

 

まとめ

日本版敗血症ガイドライン2024年の内容から看護師も知っておくべき内容についてお伝えしてきました。このような内容を知っておくことで、どのような準備をしておく必要があるか、医師はどのようなことを考えて治療にあたっているのかなど理解が深まると思います。

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