看護師が知っておくべき経尿道的前立腺切除術(TURーP)の術後看護

経尿道的前立腺切除

前立腺がんに対しての手術療法は開腹して全摘除を行いますが、前立腺肥大の場合には手術の一つとして経尿道的前立腺切除術(TUR-P)が行われます。その手術後に関して看護や観察のポイントをお伝えしていきます。

前立腺とは

 前立腺は膀胱の出口にあって尿道を取り囲む構造となっており、サイズは数センチ程度で栗の実大の大きさと例えられている。前立腺のはたらきは精子の運動を助ける精液の分泌が中心である。

前立腺肥大

前立腺は加齢に伴って肥大していき、それによって頻尿や尿の出にくさなどの症状を伴っていきます。それに対しての治療として手術療法の経尿道的前立腺切除術があります。

経尿道的前立腺切除術

尿道口より機械を挿入して前立腺を経尿道的に切除することで狭窄した部分を広げることができ、排尿障害を改善させます。術後には尿道留置カテーテルを挿入して膀胱灌流が行われます。

経尿道的前立腺切除術後の看護観察のポイント

経尿道的前立腺切除術後の看護観察のポイントとしては、麻酔は全身麻酔で行われますので、バイタルサインや呼吸状態、心電図など、どの手術でも観察するようなことについては一般的な術後管理として行ってください。経尿道的前立腺切除術に特徴的な看護観察のポイントとしては血尿、止血、膀胱灌流、膀胱刺激症状が挙げられます。

血尿

前立腺は血流が豊富であり、経尿道的前立腺切除術の術後は出血しやすく血尿が出ます。もちろん止血して手術を終えるのですが全く血が出ないという状態というのは現実的ではありません。大事なことは血尿によって尿道留置カテーテルが閉塞しないようにすることになります。もちろん術後に出血がひどくなると再手術となる場合もありますが、許容される範囲の血尿であれば、膀胱灌流によって血尿を薄め、尿道留置カテーテルが閉塞しないように管理します。

膀胱灌流

上記で説明したように血尿による尿道留置カテーテルの閉塞を防ぐための手段として膀胱灌流を行います。膀胱灌流の速度は医師の指示に沿って行われますが、ある程度看護師による判断で速度の管理が任される場合も少なくないと思います。その際に考えるべきこととしては血尿によって凝塊血ができて尿道留置カテーテルが閉塞してしまうことを防ぐことであるので目安として血尿0.3%以下で管理すると凝塊血ができにくいと思います。医師によっては膀胱灌流の速度ではなく、血尿の濃さを○%以下にするように灌流速度を調整などという指示を出すこともあります。膀胱灌流の目的は何なのかを考えれば速度調節を看護師サイドに任せられても困ることはないと思います。

止血方法

経尿道的前立腺切除の術後には物理的な止血方法を行うことがあります。その方法は尿道留置カテーテルを引っ張り気味に固定することや牽引するという方法があります。
尿道留置カテーテルをテープで固定しますがそれを前立腺を圧迫止血するために引っ張りぎみにして固定することがあります。それにより前立腺を圧迫止血することができます。
もう一つの方法も前立腺を圧迫止血する方法になりますが患者の苦痛はとても強くなります。尿道留置カテーテルはテープ固定せずに紐を結んでその先に重りをつけて引っ張ることで膀胱内で膨らましているカフによって前立腺を圧迫して圧迫止血の効果を得る方法になります。この際の注意点としてはベッド上での患者の位置がずれてしまうこと、患者の足がベッドの下端についてしまうこと、重りが床についてしまうこと、尿道留置カテーテルやそこに結んだひもが布団と接触してしまうことといったこれらのことがあると圧迫止血の効果を十分に得られなくなってしまいます。離被架(リヒカ)と呼ばれる布団などが紐に接触しないようにする道具を用いるなどが必要となります。

膀胱刺激症状

経尿道的前立腺切除術後は3WAYなので一般的な尿道留置カテーテルよりも太いものが留置されることや上記のような圧迫止血を行うことがありそれにより膀胱刺激症状や不快感は強いものになります。鎮痛剤の使用などによりその苦痛を緩和し、安静に過ごせるようにしていく必要があります。

まとめ

経尿道的前立腺切除術後の看護観察のポイントについて説明してきました。尿道留置カテーテルの牽引固定はこの手術に特徴的な術後の管理になりますので知っておいてください。

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