泌尿器科領域で最も大きな手術の膀胱全摘術。膀胱全摘をした場合にはその取った膀胱の代わりが必要となります。尿路変更法には種類があり、それぞれメリット、デメリットがあります。看護師としてはそのメリット、デメリットを知ることで日常のケアに活かすことや患者の入院時、退院後の生活の説明に役立てることにつながります。
膀胱全摘術後の尿路変更方法
尿路変更方法としては主に3つが挙げられます。回腸新膀胱造設術、回腸導管、尿管皮膚ろうの3つになります。
回腸新膀胱造設術
メリット
回腸新膀胱造設のメリットは今までと同じように排尿ができることにあります。膀胱を取ったところに回腸で新たな膀胱を作成してその新膀胱に尿管や尿道を吻合するため、今までと排尿の経路が同じになります。そのため外見的にも腹部の手術痕が残るだけでボディーイメージの変容が少なく済みます。
デメリット
新膀胱で膀胱の代わりをしているとはいえ、完全に元の膀胱の代用ができるわけではありません。個人差があるところですが、尿意を感じないこと、尿意があってもうまく排尿できない、尿を新膀胱に溜めておくことができずに尿漏れしてしまうことが挙げられます。その対応として自己導尿の手技を獲得してから退院することが必要となり、その手技の獲得そのものも大変ですし、導尿には多少なりとも苦痛を伴うといったことがデメリットとして挙げられます。パットやオムツを履いた状態で日常生活を送ることになるケースも珍しくありません。
回腸導管
メリット
新膀胱と比べて導尿のような苦痛を伴う処置を退院後の日常生活で必要としないことや尿管ステントを留置したままとする必要になった場合にの交換などが容易な点が挙げられます。また、後述する尿管皮膚ろうと比べて閉塞するリスクが少なくなります。
(泌尿器科の医師に聞いたことですが女性は尿道が短いため通常は新膀胱造設は行われないとのことでした)
デメリット
ストーマの管理が必要となることが挙げられます。定期的にパウチの交換が必要となること、ストーマ周りの皮膚トラブルが起こりやすいことがあります。人工肛門を造設することからボディイメージは大きく変容することになります。入浴することのハードルも上がりますし、公共の入浴施設ではさらにハードルが高いものとなるでしょう。
尿管皮膚ろう
メリット
ストーマに腸管を用いないため手術侵襲が少なく手術時間も短くなります。そのため高齢や心機能などから体術能があまりない場合に選択されることがあります。
デメリット
ストーマを造設することになるため回腸導管と同様にパウチの管理やボディーイメージの変容などがあります。また腸管を用いないためストーマが閉塞するリスクが回腸導管よりは高くなります。
まとめ
膀胱全摘術後の尿路変更方法のそれぞれのメリット、デメリットについて説明してきました。それぞれの特徴を理解して患者の理解の一助にしていただけたらと思います。


コメント