膀胱腫瘍に対して行われる手術としては開腹して行う膀胱全摘や部分切除術と経尿道的に行われる膀胱腫瘍切除術があります。今回は経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)について看護師が知っておくべき術後の看護、観察のポイントについてお伝えしていきます。
経尿道的膀胱腫瘍切除術
経尿道的に行われる膀胱腫瘍の外科的な治療方法で、開腹して行われる手術に比べて侵襲が小さいことが大きなメリットとなります。デメリットとして挙げられることとしては再発の可能性が少なくないということです。私のみたことのある患者では10回以上経尿道的膀胱腫瘍切除術を受けている方を数人見たことがあります。
経尿道的膀胱腫瘍切除術後の観察
基本的には全身麻酔で行われる手術になりますので、バイタルサインや呼吸状態、循環動態、心電図の確認など全身麻酔、手術することに伴う観察項目は他の手術と同じになります。それに加えて経尿道的膀胱腫瘍切除術に特徴的なことについては血尿、膀胱灌流の管理、膀胱刺激症状が挙げられます。
血尿
経尿道的膀胱腫瘍切除術は膀胱の経尿道的に内側から腫瘍を切除する手術ですので膀胱内で切除した部位から出血します。もちろん止血して手術を終えるのですが全く出血が出ないという状態というのは現実的ではありません。大事なことは血尿によって尿道留置カテーテルが閉塞しないようにすることになります。もちろん術後に出血がひどくなると再手術となる場合もありますが、許容される範囲の血尿であれば、膀胱灌流によって血尿を薄め、尿道留置カテーテルが閉塞しないように管理します。
膀胱灌流の管理
上記で説明したように血尿による尿道留置カテーテルの閉塞を防ぐための手段として膀胱灌流を行います。膀胱灌流の速度は医師の指示に沿って行われますが、ある程度看護師による判断で速度の管理が任される場合も少なくないと思います。その際に考えるべきこととしては血尿によって凝塊血ができて尿道留置カテーテルが閉塞してしまうことを防ぐことであるので目安として血尿0.3%以下で管理すると凝塊血ができにくいと思います。医師によっては膀胱灌流の速度ではなく、血尿の濃さを○%以下にするように灌流速度を調整などという指示を出すこともあります。膀胱灌流の目的は何なのかを考えれば速度調節を看護師サイドに任せられても困ることはないと思います。
膀胱刺激症状
全身麻酔をする手術でも尿道留置カテーテルは留置され、膀胱刺激症状を訴えることは少なくありませんが、経尿道的膀胱腫瘍切除術後では他の手術よりも膀胱刺激症状がより見られやすくなる要因があります。それは留置される尿道留置カテーテルが他の手術と比べて太いものであることです。経尿道的膀胱腫瘍切除術後では膀胱灌流をするために3WAYの尿道留置カテーテルが留置され、その他の手術よりも太いものが留置されることとなり、それにより膀胱刺激症状がより見られやすくなります。また、膀胱の手術ですので膀胱が傷ついている状態でもあ離、それが刺激となって膀胱刺激症状を助長する場合もあります。鎮痛剤の使用などにより改善する場合もありますので、症状緩和の方法を検討してください。
まとめ
経尿道的膀胱腫瘍切除術の術後の看護観察のポイントについてお伝えして来ました。特に血尿、膀胱灌流は必須の知識となります。知識を身につけて観察できるようになっていただけたら思います。



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