看護師が知っておくべき酸素投与の弊害

酸素療法
酸素投与はよく行われる療法の一つでありますが、過剰に投与することで弊害を生じることもあります。酸素投与によるデメリットについても知っておいていただきたいので、ご説明していきます。

酸素投与の目的

酸素は全身に供給され、エネルギーを産生する際に必要となります。その酸素が何らかの理由で全身への供給が需要を満たせなくなり、酸素需要を満たすために酸素投与をします。需給バランスが崩れる原因は様々であり、その原疾患の治療が大切になります。

酸素投与による3大合併症

①酸素中毒

高濃度の酸素を投与することにより活性酸素(フリーラジカル)の産生が増加してしまい組織や細胞が障害されることがあります。気道のせんもう運動の低下や肺への障害も少なくなくありません。

②CO2ナルコーシス

人間は正常では体内のPCO2が上昇するとそれに中枢科学受容体が反応することと、PO2が低下することで末梢化学受容体が反応することで換気が調整されます。
しかし、慢性呼吸不全の患者の多くは程度の差こそあれ高二酸化炭素血症となっており、PCO2の受容体の反応が鈍くなりPO2による反応だけとなってしまっています。そのためその状態の時に過剰な酸素投与を行うことでPO2による刺激に反応がなくなったり低下すると換気量が減少して、さらにCO2が貯留することになり、意識障害をきたす原因になります。そのためCOPDなどの慢性呼吸不全の患者への酸素投与は医師と相談し酸素投与が過剰とならないように注意が必要となります。酸素投与の増減の指標も低めに設定されることが多いです。

③吸収性無気肺

大気中の空気を吸っている場合には8割程度の窒素が含まれており、それにより肺は虚脱しないようになっています。しかし、高濃度の酸素投与することで窒素の割合が減少してしまい、肺胞内の酸素は拡散で全て毛細血管に移動して肺胞内のガスがなくなり、肺胞が虚脱して無気肺が生じてしまうことがあります。

まとめ

高濃度酸素投与による弊害について説明してきました。高濃度で投与する例はあまり多くはありませんが、CO2ナルコーシスは少量の酸素投与でも可能性があり、そういった知識を持っているのかどうかで対応できるかが変わってきます。普段何気なく行っている酸素投与も注意点を知った上で行えるようになっていただけたらと思います。

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